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2016年04月10日

些細な変更? G2015のBLSプロバイダーコース

日本国内事情を見ると、この4月からG2015暫定版のBLSヘルスケアプロバイダーコースに切り替わった、もしくは移行開始というところが多いようです。

G2015暫定(Interim)コースというのは、日本語化されているG2010(1つ前のガイドライン準拠)のDVDとテキストを使いつつ、最新のG2015の内容を変更点としてお伝えしていく開催方式のことを言います。

これもAHA公式の措置で、暫定コース用の新しいスキルチェックシート、筆記試験問題、補助資料がAHAから公式に日本語でリリースされています。

日本では、ようやく講習としてG2015が始まったところですが、米国では2016年2月16日に暫定版ではない正式なG2015 BLS Providerコースの教材が発売され、それから約2ヶ月半。

AHA BLSコースといえば、G2015が正式版があたりまえになっています。(少なくとも私たちが所属しているハワイ州のAmerican Medical Response TCでは)


AHAガイドライン2015版BLSプロバイダーコース筆記試験問題とDVD教材


日本国内で、G2015正式版BLSプロバイダーコースが開催されるのは、早くて夏過ぎだろうと思われます。

日本語教材が発売になるのは6月〜7月とアナウンスされていますが、受講者マニュアルもインストラクターマニュアルも同時に出ますので、日本のインストラクターが新教材を入手して、新しい指導方法を習得して公募講習に反映されるのは、おそらく夏はすぎるだろうという憶測です。

意識が高いインストラクターたちは、英語版を発売と同時に入手して、内容はすでにチェック済みかと思いますが、今回、あまりに変更のインパクトが大きく、これを正しく理解して、講習に反映させるのはなかなか大変だと感じているはずです。

ガイドラインのBLSに関する変更点は、

1.評価手順の見直し
2.胸骨圧迫のテンポの変更
3.挿管時のCPRの換気ペースの変更

くらいで、特段新しいことはなく、インストラクターのアップデートも簡単に見えます。

しかし、BLSの蘇生科学ではなく、教育面での大幅な見直しがなされ、講習の在り方の根源から変更になっているというのが、英語版新教材を見てわかったことです。

ガイドラインのBLSの章を見るだけでは気づかない、大胆なコース設計の変更がされたのが、今回の改訂の目玉だと思います。

これは、おそらく蘇生ガイドライン2015の変更点というよりは、AHAのG2015教材の変更と言ったほうがいいかと思います。国際コンセンサスCoSTRでも、教育・普及・実行に関する検討がなされて、各国ガイドラインにも反映されてはいますが、エビデンスという意味では、まだ不十分で国際コンセンサスにはなりきれないことが多くあります。

蘇生教育という点で、たくさんの知見を持っているのは、蘇生教育を世界展開しているAHA。

それらの知見をも加味して、先進的な視点で作られたのが、G2015のAHA教材なのではないでしょうか?


これらの教育面での違いがいちばんわかりやすいのはコースDVDでしょう。

ここから直感的に、コースが根本的に変わった、という点が見て取れます。

その上で、インストラクターマニュアルを丹念に見ていくことで、変更の詳細や、その理由などが見えてきます。

・実技試験では、傷病者の評価手順(反応・呼吸・脈の確認、通報のタイミング等)は問われない
・実技試験で使用する感染防護具は受講者のバックグラウンドに合わせて選択可(BVMでも!)
・筆記試験はテキスト持ち込み可

ゴール・オリエンテッド(Goal oriented)なAHAコースで、講習のゴールがここまで変わった以上、大きな幹が変わったと考えて過言ではありません。

今回、この変更があまりに大きいため、新コースの開催準備にはかなり時間がかかるのではないかと思われます。

結論から言うと、今回の改訂で、AHA-BLSコースは非常に魅力的になりました。

またその意図通りに展開できれば、BLSの実施率の大幅な上昇が望めるのではないかと思います。

だからこそ、インストラクターとしては一日も早いG2015正式コースへの移行を目指したいところです。

移行時期についてはトレーニングセンターなど、所属の判断決定に依存しますが、個人としてのスキルアップが早いに越したことはありません。


そんな意図から、

「G2015時代のBLSインストラクターを目指す」ワークショップ

を企画しました。

新しい英語版DVDを一緒に見ながら、インストラクターマニュアルの記載を紐解き、インストラクターとしてのG2015への完全移行を目指します。

5月8日(日) 横浜開催・・・詳細はこちら

5月29日(日) 久留米開催・・・詳細はこちら


どちらも参加者募集中です。

全国のインストラクターの皆さん、誰よりも速く、G2015コース移行準備を始めませんか?

AHA-BLSインストラクターであれば、所属は関係なくどなたでもご参加いただけます。日頃なかなかない、他の活動拠点のインストラクターとの交流、情報交換の場となればと思います。






posted by BLS横浜 at 12:13 | TrackBack(0) | 蘇生ガイドライン2015のBLS/ACLS/PEARS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月09日

BLSコースにおける真正性の課題

ガイドライン2015版のBLSプロバイダーコースDVDを見て思うことですが、現場での判断力を養うためには、講習の中でも真正性を追求していくことが重要と思います。

例えば、BLSマネキンや模擬患者相手に練習をしているときに、「大丈夫ですか?」と受講者が反応確認をした際に、インストラクターは「意識はありません」と言ってしまう場合があります。
この場面で教育すべきは、反応があるかないかを弁別して、それぞれのときにどう行動するかを決定する能力を養うことです。

「意識がありません」とインストラクターが言ってしまうと、受講者から、自分で反応の有無を判断するのだという思考回路を閉じてしまうことになります。

BLSマネキンは、単純な人形ですから、反応がないに決まっています。だから、単純なマネキン相手に反応確認を練習させるのは、基本的に無理です。1千万円近くするような、反応を示すというパターンを再現できる高規格のマネキンを使う必要が出てきます。

こう考えると、BLS講習のハードルは上がりますが、そこまでしなくてもイマジネーションに働きかけるような講習展開である程度はカバーできるかもしれません。それが今回のG2015版BLSプロバイダーコースDVDに出てくる数々のリアルなシチュエーションのデモ映像なのでしょう。

さらに言えば、そういった映像に頼らなくても、受講者が自身の経験の中から想起できるようなストーリーを語り、イメージをもってもらってから練習を行うというやり方もあります。

または、もっとシンプルにはインストラクターが模擬患者として演技をすればいいのです。顔色や心拍のコントロールはできませんが、反応の有無や呼吸の有無に関して言えば、パーシャルタスクにはなってしまいますが、マネキンよりはマシなトレーニングができるのではないでしょうか?

BLSマネキンには限界がありますが、それをどう認識して、別の方法でカバーしていくか?

それがG2015時代のインストラクターに求められる工夫ではないかと思います。




posted by BLS横浜 at 20:21 | TrackBack(0) | 蘇生ガイドライン2015のBLS/ACLS/PEARS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする