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2013年05月08日

エピペン講習のあり方、現場に必要なこと

とある公立保育園からの依頼で、エピペン使用法を含むアナフィラキシー対応研修を行なってきました。

エピペン(アドレナリン自己注射器)


エピペンの使用法自体はとても簡単です。使い方を教えるだけなら10分もあれば十分です。

通常はそこにアレルギーの仕組みや、症状の「グレード」の説明などを加えるのだと思いますが、現場で求めているのは、難しい理屈ではなく、使うにあたっての実際。

そこで、インストラクターが模擬患者となって、苦しがっているところに、どのような対応をするか、シミュレーションをしてもらいました。

床に倒れている状態で、大腿外側に90度に注射をするのはなかなか難しいです。エピペンは握り方が大事なポイントですが、安全キャップをはずした後についつい持ち替えたくなってしまいます。そこが危険な落とし穴。

注射後、約10秒、針を押し付けたまま保持しますが、痛がって苦しがって動いている子どもに10秒間注射を続けるのは難しいです。そこで誰か足を押える人が必要になってきます。

注射をしたらおしまいではありません。注射時間の記録、記憶に頼るといかに忘れてしまうか、また症状の観察。救急隊への引継ぎも行なってもらいました。そこで実際なにを観察したらいいのかという問題に直面します。さらには看護という視点で、苦しがっている子どもにどう声を掛けるか? 家族への連絡、119番通報。

さらには周りの不安がっている子どもたちをどうするのか? 救急隊がすぐに入ってこられるように門を開ける係など、現場でやるならではのいろんな問題点が見えてきます。

いわゆるエピペン講習の目的は何か?

講習会場内でエピペン注射ができるようになることが目的ではないはずです。

保育や学校現場で、アナフィラキシーショックへのファーストエイドが行なえること。エピペンはその手段のひとつに過ぎず、テクニカル・スキルとしてエピペンが使えればいいという話ではないのです。

1時間という講習時間は決して十分な時間とはいえません。しかし、今後、職員がアナフィラキシーという緊急事態に適切な行動ができるようになるためには、どんな要素に対してどんな訓練を続けていけばいいのか、そんな示唆を感じ取ってもらえるような講習展開を心がけました。

その保育園では、職員全員に受講させたいということで、あと2回、お邪魔する予定になっています。

その後は、保育園の看護師さんが中心となって、定期的に実践的なシミュレーション訓練を続けてくれるのではないかと期待しています。ある意味、インストラクターは救命教育コンサルタント的な役割も意識すべきと思います。

エピペン講習の開催希望は、今後、AHAファーストエイド・インストラクターを中心に依頼が増えるのではないかと思います。

そんなとき、現場で求められていることは何か? また一回の講習で終わらせるのではなく、今後につなげていく提案が必要な点、ぜひこの機会に伝えたいと思い、記載させていただきました。



追記:次回公募のエピペン&子ども心肺蘇生法講習は、3月16日(日)九州の熊本市での開催となります。





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